まえおき
メタバースで遊ぶには、
・PC + VRヘッド
・PCのみ
・VRヘッドのみ
・スマホ
など、いろいろな方法があります。
その中でも「PC + VRヘッド」とは、VRヘッドをPCに接続して、仮想空間を表示します。
アバターの表示や操作ができ、最も仮想空間への没入感を得ることができます。
その一方、PCには、高い処理能力が要求されます。
メタバースに使うためのPCを購入しようと、ネットで情報を探すと、
「CPUはxxx以上を」
とか、
「GPUは〇〇がおすすめ」
とか書かれていたりします。
でも、そう言われても、よく分からないですよね。
ここでは、そんなCPU・GPUに関する言葉の意味などについて、説明していきます。
また性能を評価するベンチマークにも触れたいと思います。
「CPU」と「GPU」の違いと、役割
「CPU」という単語は、コンピュータを扱っていれば、よく見聞きすると思います。
Central Processing Unit = 中央演算処理装置 の略で、人間の体に例えると、「頭脳」にあたります。
コンピュータだけでなく、家電やスマホや工業機械など、多くの機器に入っています。
一方「GPU」とは何でしょう。
Graphics Processing Unit = 画像処理装置 の略で、「画像処理に特化した装置」です。
画像はとても多くのデータになります。
例えば、スマホのカメラは、1000万画素を超えるものが有ります。
これは平面(2次元=2D)のデータですが、現在のPCゲームは3D(3次元)のデータを扱いますから、更に膨大になります。(スマホカメラほど高精細ではないですが)
大量のデータを、動画の速度で処理するのは、とても大変なのです。
GPUは、この画像データを高速に処理ができるように作られているのです。
PCの中には、この「CPU」と「GPU」が搭載されています。
「CPU」は、PCの司令塔で、PC全体の処理を行います。
「GPU」は、PCの処理の中でも3Dグラフィックなどの画像描写に必要な演算処理を担当しているのです。
「CPU」の性能を決める要素
CPUの性能は、主に次の3つの要素が影響してきます。
①コア数 ②スレッド数 ③クロック数
①コア数
「コア」とは、CPU内部にある演算回路です。
コアの数が多いほど、同時に処理可能な作業数が増えます。
②スレッド数
CPUが同時に処理できる作業単位です。
スレッド数が多いほど、多くの処理を素早くこなすことができます。
以前は単純に「スレッド数=コア数」でしたが、技術により、「スレッド数=コア数✕2」が可能となりました。
ただし「コア数✕2」のスレッド数でも、実際の性能向上は3割程度のようです。
③クロック数(周波数)
CPUの信号の送受信をするために、タイミングを合わせる必要が有ります。
クロック信号に合わせて行われますが、この信号の速さがクロック数です。
1秒間に何回繰り返すかを表していて、この値が大きいほど、早く処理することが出来ます。
「GPU」の性能を決める要素
GPUの性能を決めるものには、以下の要素があります。
・コア数
・コアクロック
・メモリの種類、容量、クロック、バス幅
・他・・・
GPUの性能を決めるのは、非常に複雑なようです。
詳細は他のWeb情報におまかせし、ここでは割愛させていただきます。
(すみません。)
「CPU」「GPU」の性能の評価方法(ベンチマーク)
いざPCを購入しようと思った時、それに載っているCPUやGPUの性能がどれくらいなのか、知りたいですよね。
CPUやGPUの性能評価には、ベンチマークソフトが使われます。
ベンチマークソフトは何種類もあり、それぞれの測定方法に特徴があります。
いくつかの主だったベンチマークソフトを紹介しましょう。
PassMark
PassMarkは、オーストラリアのソフトウェア開発グループで、何種類かのベンチマークソフトがあります。
そのうち、PC性能のベンチマーク評価では、「Performance TEST」というソフトを使います。
このソフトでは、PC内の個々の機能(CPU、2D/3D Graphics、メモリー、ディスク)を測定し、総合評価を算出します。
またこの個々の機能の中にも、更に細かく機能を分割して測定していて、それらの結果を見ることもできます。
PassMarkのWebサイトには、多くのCPUの測定結果が載っています。
具体的には、Web サイト版には、以下のベンチマークデータが載っています。
・CPU ・Video Card ・Hard Drive ・RAM ・PC System ・Android ・iOS/iPhone
「CPU」では、CPUの総合評価や、シングルスレッドでの評価結果を見ることができます。
色々なWebサイトで行われているCPUの比較では、このCPUの総合評価の結果が使われていることが多いです。
「GPU」の評価は「Video Card」の項目で見れます。
Video Card(GPU)を3D Graphicsで評価した結果が表示されています。
ちなみに、CPUの評価結果の値と、その性能は、おおよそ次のようになります。
20000〜
重いソフトの複数同時実行などクリエイティブ用途。重めの3Dゲームにも対応。
10000〜
ハードなPC作業や4K動画編集がOK。軽めの3Dゲームなら快適にできる。
8000〜
日常的なPCを扱うには余裕がある。2K動画編集や軽いゲームもOK。
5000〜
日常的なPCの扱いに問題はない。テレワークはこれ以上が欲しい。
3000〜
一般的な事務作業はOK。重いアプリには辛い。
2000〜
メール、Web閲覧、軽作業ならOK。
1000〜
軽い作業なら可能だが、常に動作が重い
またPassMarkは、定期的にスコアの見直しがあります。
比較するには同時期に測定した値を使う必要があります。
3DMark
アメリカのUL Solutions社が提供するベンチマークアプリケーションです。
この企業もいくつかのベンチマークソフトを開発していますが、3DMarkは、コンピューターが3Dグラフィックスを描画する性能を評価するベンチマークソフトです。
「GPU」の性能比較を行う際に、よく使われています。
3DMarkは、複数のベンチマークプログラムで構成されてます。
・Fire Strike
DirectX 11(1,920×1,080)でのベンチマーク
・Fire Strike Extreme
DirectX 11(2,560×1,440)でのベンチマーク
・Fire Strike Ultra
DirectX 11(3,860×2,160)でのベンチマーク
・Time Spy
DirectX 12 (2,560×1,440)でのテストが可能
・Time Spy Extreme
DirectX 12(3,860×2,160) でのテストが可能
・Speed Way
DirectX 12 Ultimateでのテストが可能
「CPU」の性能比較では、「CPUプロファイル」というのがあります。
計測する際に、使用するスレッド数を指定して計測ができます。
WEBサイトでは、ユーザーによって投稿された結果(その中央値)を見ることができます。
多数のCPUやGPUの結果が載っていますので、比較するには使いやすいWEBサイトです。
Cinebench(シネベンチ)
Cinebenchは、「CPU」の性能評価に特化しているソフトです。
3次元グラフィックスで、立体的に色や陰影の計算を行い、画像を生成して測定します(レンダリング)。
Cinebenchの特徴は、CPU内にある複数のコアについて、マルチコアでの評価と、シングルコアでの評価、それぞれを行うことができる事です。
・マルチコアでの評価
動画処理系や複数アプリの実行に強いマルチスレッド性能を計測
・シングルコアでの評価
ゲームでは、特定のコアに負荷が集中しやすいので、こちらの測定結果が影響しやすい。
では、以下の記事で、CPUやGPUの型番による性能の見方を見てみましょう。
はじめに メタバースに使うためのPCを購入しようと、ネットで情報を探すと、「CPUはxxx以上がおすすめ」とか「〇〇のCPUを使っているから大丈夫」などとなどと書かれていたりします。CPUの型番で性能がある程度分かりそう、という事は分かりま[…]
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